2012年05月24日

狭山陣屋(大阪狭山市)

 狭山池の東岸に、河内狭山藩の狭山陣屋がありました。上屋敷・下屋敷の2つがあり、両方とも現地に遺構は残っていません。
 上屋敷は道沿いの小公園に石碑と案内板が立っています(今回は未訪問)。下屋敷は狭山遊園地となり、閉園後は公園とマンションに。写真のやや右寄りに立つ高層マンションのあたりがおよその陣屋跡です。

 河内狭山藩は1万1千石の小大名。領主は北条氏で、戦国時代に関東の覇者となった小田原北条氏(後北条氏)の後裔です。
 豊臣秀吉の小田原攻めで降服した北条氏は、当主の北条氏直が高野山に配流。後に許されて1万石を与えられますが、早くに病死。叔父の北条氏規が跡を継いだのが河内狭山藩の祖となります。
# 北条氏直は徳川家康の娘婿だったことも、小田原開城時の助命につながりました。

 というのは、帰宅してから調べたことで、まさか戦国関東の雄の北条氏が、大阪の一角で生きながらえていたとは思いませんでした。

続きを読む
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | お城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日本最古のため池・狭山池(大阪狭山市)

 現存日本最古のため池は大阪府にあります。大阪狭山市にある狭山池。古事記の垂仁天皇の条にも名前が出てきます。
次印色入日子命者、作血沼池、又作狹山池、又作日下之高津池。
 垂仁天皇は在位が紀元前29年-70年という伝説上の人物ですが、狭山池の築堤で発掘された木樋の年輪測定(616年の採伐)などから7世紀前半に造られたため池ということが分かっています。推古天皇や舒明天皇の頃で、この頃に活躍した有名人は聖徳太子や蘇我入鹿・蝦夷あたり。

 狭山池は土堤を築いて、小川をせき止めてため池にしています。現存日本最古のダムです。
 堤体は後代に改修が重ねられて大きくなり、飛鳥時代の土堤はすっかり中に埋もれていますが、古墳のようなモニュメントでなく、産業に関わる構造物が1400年近くも現役なのは驚きです。

続きを読む
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 地図と地理と遠出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月23日

月と金星

 夕空に月と金星が並んで見えていました(写真はクリックで拡大します)。
 月は2日前に日食を起こしたばかりの三日月。金星も望遠鏡で見れば三日月状の姿に見えています。
 5月23日19:44(神戸市垂水区)。NikonD5000+16mm→48mm/F4.9→9、1秒露出、ISO400。

 3月頃から毎月、夕空でランデブーを繰り返してきた月と金星ですが、6月6日に金星が内合を迎えるため、次のランデブーの舞台は明け方の東空に移ります。

 6月18日に月齢28の月と2度まで接近(これは見るの厳しそう)。
 7月16日に月齢27の月と3.5度まで接近。

 そして8月14日の明け方、月齢26の月が金星を隠します。いわゆる「金星食」(2012年の主な天文現象)。
 日本で見やすいものとしては1989年12月以来、23年ぶりです。
 2012年の天文現象ハイライトの3つめ。これはきれいですよ。
posted by ふくだ at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

6月6日へ向けて

 最近でこそブログに写真を載せることも増えましたが、もともとは観望が好きな私です。見ると撮るのどちらかを取れと問われたら、ちゅうちょなく見る方を取ります。

 写真を撮る際は、現地でなるべく手間を掛けない。
 その代わり、事前に仕込みます。機材はなるべくシンプルに。そして自分の経験値を上げておくこと。
# だって現地でテキパキ動ければ、それだけ観望に使える時間が増えるのです。

続きを読む
posted by ふくだ at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

金星と月と太陽

 今日(22日)の夕方、西空低くに金星が見えていました。3月27日に東方最大離角、4月30日に最大光度、そして6月6日に地球を追い抜くべく、太陽周回軌道のインコースを邁進中です。

 その6月6日、太陽と金星と地球が一直線に並び、金星の影が地球に落ちます。地球から見ると、太陽の前を金星が横切って行きます。金星の太陽面通過。前回見えたのは2004年、そして次回は2117年です。

 言うなれば金星による日食なのですが、地球のすぐそばを回っている月と、はるか遠くを通り過ぎる金星では見かけの大きさがまるで違います(金星の実際の直径は地球とほぼ同サイズ、月は地球の1/4)。
 日食を撮影したのと同じ望遠鏡・同じカメラの組み合わせで撮った金星の写真を並べてみました(写真はクリックで拡大)。
 6月6日は、金星が地球に近づいた場所で太陽面通過となるので、あと一回り、金星が大きく見えます。2012年の天文現象、2つめのハイライトです。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

水島の戦い(1183年)と金環食

 寿永2年閏10月1日(1183年11月24日/ユリウス暦では11月17日)、現在の岡山県倉敷市付近で平氏と源氏の軍勢が衝突しました。
 都落ちして屋島(香川県高松市)に本拠を構えた平氏を、木曾義仲の軍勢が追撃した水島の戦いです。

 合戦は平氏の勝利に終わるのですが、この水島の戦いには天文にまつわるエピソードがあります。戦が起きたのは旧暦1日、つまり新月の日。
平家の輩は、舟軍自在を得たりければ、乱入て散々に切。面を向る者はすくなし。舟耳に近付者をば取て海に入、底にある者をば冑の袖をふまへて頸を掻、城の中よりは勝鼓を打て■り懸る程に、天俄に曇て日の光も見えず、闇の夜の如くに成たれば、源氏の軍兵共日蝕とは不知、いとゞ東西を失て舟を退て、いづち共なく風に随つて遁行。平氏の兵共は兼て知にければ、いよ/\時を造り重て攻戦。
 合戦は船の戦いに慣れた平氏の優位に進みます。その時「天俄に曇て日の光も見えず、闇の夜の如くに成たれば」、つまり「空が急に曇って日光が消え、闇夜のようになった」。日食があることを知らない源氏は慌てふためき逃げ惑い、日食を知っていた平氏はここぞと追撃に拍車をかけます。

 このとき起きたのは金環食で、西日本を北西-南東方向に金環帯が横切りました。水島が金環帯に入ったかどうかは計算によって異なるのですが(古い時代ほど地球の自転のズレの影響が大きくなり、厳密な金環帯を導くのが難しくなります)、仮に金環にならずとも、食分0.95の大きな部分食でした。
NASAの過去予報(この計算では水島は金環帯の東側になります)。

 ここで問題なのは、金環日食の場合、さほど空は暗くならないこと。
・「⾦環⽇⾷では暗く感じません」(PDF・2012金環日食日本委員会

 「⼈の⽬には(略)通常の明るさの2/3程度に感じるのです。周囲の明るさが⼀気に2/3になれば、誰でも容易に気づきます。しかし、1時間以上かかって徐々に明るさが低下すると、⽬の順応もあり、よほど注意深く観察している⼈以外はほとんど変化を感じません。」
 ということで「天俄に曇て日の光も見えず、闇の夜の如く」という状況はどうも合いません。むしろ皆既日食のような描写です。

 明石市立天文科学館の井上学芸員とこの話をしていて、井上さんの説は「金環食の時に曇ったら、月の影と雲の減光が相まって、暗くなるのかもしれない。水島の戦いもそうだったのでは?」。

 はい。船上で身をもって、曇った金環日食を体験してきました。

続きを読む
posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月21日

金環日食・リングは雲の向こう

 今回の金環日食は中心線狙いでふじ丸に搭乗しました。2009年7月の小笠原沖皆既日食でお世話になった船です。
 結果を先に書くと、残念。金環前後の5分間、厚い雲に覆われました。
 左写真が金環2分前。このあと1分前まで何とか雲の向こうに微かに細い太陽が見えていましたが……右写真は金環終了20秒後。惜しかったなぁ。

 残念でちょっと悔しいけど、相手は自然現象、こんなこともあるのはこの趣味をやっている以上、しかたのないことです。そして金環食・部分食の観察に成功したみなさん、おめでとうございます。今日の記憶を大切に、存分に楽しい思いに浸ってください。私もまた、次に機会がめぐってくれば、その時こそ。

続きを読む
posted by ふくだ at 19:33| Comment(6) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月16日

平清盛 その2

 相変わらず面白いです。視聴率は絶不調のようですが、面白いです。

 平安末期は古代から中世への転換期。
 絵巻物や屏風に描かれる源平合戦はきらびやかな印象が強いのですが、その前史といえる清盛の前半生、武士は力を蓄えたといえども、自他共にその力の可能性に気づいていません。海賊討伐に出かける武士の鎧も飾り気がなく実用本位。そして京の都の汚れっぷりに庶民の貧しさ。こういうものだったんだろうなぁと素直に引きこまれました。

 人物描写も丁寧でよいです。白河院の呪縛に囚われた鳥羽法皇。ついに鳥羽院と分かり合えなかった崇徳上皇。やりたい放題辣腕を振るいながらも転げ落ちはじめた悪左府藤原頼長。今は飛ぶ鳥を落とす勢いの藤原信西。為義が哀れで義朝が痛々しいほどの源氏の内ゲバ。鎮西八郎為朝のスーパーロボットっぷり。
 保元の乱・平治の乱で誰が生き残るのかを知っている身としては、周到な伏線の張り具合にワクワクしっぱなしです。
 それにしても崇徳上皇が切なすぎる……

 平清盛をより楽しむために。
 音楽を担当されている吉松隆さんのブログ記事。
 「大河ドラマ「平清盛」音楽制作メモ」(月刊クラシック音楽探偵事務所)

 時代考証の本郷和人さんのツイッターアカウント。
 @diamondfloor4(kazuto hongo)

 私が感じていることを、ずっと深く説明して頂いているまとめ(@yaguhiroさん)
 「視聴率が低迷するNHK大河ドラマ「平清盛」を楽しむ

 しかし、私の「面白い」感覚が世の中とずれているってことなんだろうな。
posted by ふくだ at 23:46| Comment(6) | TrackBack(0) | 雑記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年3月の金星と木星の接近3D版

 少し前の写真ですが、2012年3月中旬の金星と木星の接近です。3月10日の撮影。
 写真はクリックすると拡大します。赤青メガネでご覧になると、星々が後ろに、景色は手前に見えます。
続きを読む
posted by ふくだ at 23:45| Comment(4) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月14日

金環日食を安全に観察するために

参考になるリンクを貼っておきます。

○国立天文台:2012年5月21日 金環日食 | 観察方法
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/obs.html

○アストロアーツ「『金環日食2012』:どうすれば見られるの?安全に観察するための必須事項と観察方法」
http://www.kinkan2012.jp/observation-j.shtml

○2012金環日食日本委員会←注意事項いろいろ
http://www.solar2012.jp/

続きを読む
posted by ふくだ at 22:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 星空観望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする