2008年06月27日

2008年6月の読書

 まだ6月は終わっていないのですが、今のところ本を借りる予定も図書館へ行く予定もないので、ここまで。

新井素子『明日も元気にいきましょう』
猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦 総力戦研究所“模擬内閣”の日米戦必敗の予測』
塩野七生『ローマの街角から』
スティーヴ・スクワイヤーズ『ローバー、火星を駆ける―僕らがスピリットとオポチュニティに託した夢』
デレク・ハウス『グリニッジ・タイム―世界の時間の始点をめぐる物語』
野尻抱介『沈黙のフライバイ』
文芸春秋編『21世紀への手紙』
横見浩彦『乗った降りたJR4600駅』

 『21世紀への手紙』は、科学万博のポストカプセル郵便(1985年の科学万博期間中に投函した郵便物を2001年元旦に届けてくれる企画)の本。2001年当時に、手紙と手紙を受け取った感想文のコンクールがあって、その優秀作が収められています。うっかり読むと相当に涙腺を刺激されるので要注意。
 我が家に届いたポストカプセルは「あら、来たんだねぇ」で終わってしまい、なんのドラマもありませんでしたが、それは家族がみなつつがなく16年間を過ごせたという幸せの証だったでしょう。

 『ローバー、火星を駈ける』は、マーズ・エクスプロレーション・ローバの主任研究者による執筆。邦題とは裏腹に、本の半分までが打ち上げまでの苦難苦闘です。提案したミッションは幾度も却下され、ようやく選定されても予算オーバー、スケジュール逼迫、機材のトラブル……本当に打ち上げウィンドウに間に合うのかという胸突き八丁。あのNASAでもこんだけ大変なんだなぁ、と思うと同時に、つぎ込まれる金額のケタにびっくりです。日本は「のぞみ」のあと火星ミッションないですし……
 スピリッツとオポチュニティの火星着陸から4年を経た今も、2台のローバは火星を這い回り、その他に1台の着陸機が氷を探し、3台のオービターが軌道を周回しています。
 未知の赤い台地に思いを馳せる好著です。

 『グリニッジ・タイム』はグリニッジ天文台に標準時が設定されるまでのお話。船舶上の経度測定に必要なクロノメーターの発明を追った本はあるのですが、標準時の成立過程をまとめた本はなかなかありません。
 経度測定に始まり、イギリス国内でグリニッジ時間が標準時として制定されるまでのすったもんだ、そしてグリニッジ標準時が世界標準時となる万国子午線会議の過程など、「世界の本初子午線」が背負い込んだエピソードはどれもこれも面白いもの。
 惜しむらくは、技術面の説明が分かりにくかったり、たまに誤植が残っていたりする点。改訂版が出たら買いです(図書館で借りました)。

 『乗った降りたJR4600駅』はJRの全駅「乗下車」のレポート。著者の方、どこかで見た名前だと思ったら漫画『鉄子の旅』の案内人の方でした。話を面白くしようというサービス精神や、自分のやっていることを理解してもらおうというという意欲があまりなく、なんだか悟りきってしまったような淡々とした文章で、これはこれで悪くないです。
 鉄道のノンフィクションといったら国鉄全線乗車の宮脇俊三『時刻表2万キロ』を読んだことがありますが、全駅下車って!? 旅費節約のために食パンだけで何日も過ごすとか、何がここまでさせるんでしょう。
 達成感を味わってしまったら、この人どうなるんだろうと思っていたら、今では私鉄も全駅行ってしまったそうです。へぇ。
posted by ふくだ at 19:49 | TrackBack(0) | 雑記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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