塩屋天体観測所の雑記帳はhttp://stelo.sblo.jp/に移転しました。
今後はこちらの旧サイトを更新しません。引き続き移転先でよろしくお願い致します。
(2015.5.22 管理人 記)

2011年02月26日

ほしとも☆キッズ135「宇宙食にチャレンジ」

 天文科学館の星の友の会、主に子ども向けに隔月で開催している勉強会。毎回、会員の持ち回りなのですが、今回は私が担当でした。お題は「宇宙食にチャレンジ」。
 宇宙食といえば何やら特別な食べ物という印象を持っていたのも今は昔。今ではJAXAが認証した宇宙日本食も、基本的には市販品ベースに開発されています。

 今回の企画の大元は、もうずいぶん前になるのですが、JAXAが開催した「JAXAシンポジウム2007〜探る宇宙 食べる宇宙〜」。これを紹介した記事が幾つかあって、例えばギズモード・ジャパンの「宇宙日本食を実食してみたよ」の記事(via.この街の空にも星は輝く)など。
 国際宇宙ステーションの宇宙食は長期保存が前提なので、レトルト食品やインスタント食品はもともと相性がいいわけです。なるほど。スーパーやコンビニで売ってるような品物が宇宙食になるんだと感心して、いつか買い集めて食べてみようと思っていたのでした。

 昨年(2010年)の春先、JAXAのサイトを見ながら候補食品を買い込んでいたのですが、ほしとも☆キッズの企画会議の時にこの話をしたら、さっそく勉強会のネタに決定。キッズの勉強会は隔月で、天体観望会のある土曜日の昼間に行っているのですが、私も土曜出勤があるので、被らない日を選んで年明け(2011年)2月末になりました。
 ラッキー、準備期間いっぱいあるやん。

 はい。与えられた準備期間を無為に食いつぶすのは凡人の定めでございます。

 直前に仕事のピークが来てしまい、帰宅しても寝落ちしてまるで準備が進まず、当日用のパワーポイントができたのが、朝の4時半。プログラムの中でアルファ米とお茶の試食・試飲を企画していたのですが、用意していた分量だと30人も行き渡らないことに気付き、慌てて当日朝に追加の買出しに走ります。いろいろ計画性なさすぎ。

 ガガーリンがボストーク1号が1961年の4月12日。2011年は人類の宇宙進出50周年。
 そして宇宙食も50周年。宇宙に丸一日滞在したボストーク2号のチトフ飛行士(1961年8月6日)は、宇宙船内で三食食べて寝て帰還しました。
 初期はチューブ食・固形食でしたが、現在の国際宇宙ステーションではだいぶ地上の食事に近いものになっています。そんなこんなで宇宙食の歴史を紹介。

 それと、宇宙では火を使えないとか、無重力なので物が下に落ちないとか(塩コショウをバラ蒔いたら悲惨なことに!)、買い物に行けないとか、最近まで冷蔵庫がなかったとか、宇宙ならではの食事の制限事項。自分が行ったわけでもないのに見てきたように話します。

 天文科学館にお願いしてJAXAから貸与頂いた宇宙食のサンプルも紹介。写真にあるのはNASAの宇宙食ですが、もちろん宇宙日本食もあります。

 合わせて宇宙日本食のベースになった品物も紹介。JAXAのサイトを見ながら、これだろうなというのを選んで調達したのですが、大きな間違いはないはずです。たぶん。
 ベースの「ほぼ宇宙食」を改良した場合は、どのあたりが「宇宙食」対応なのかも合わせて説明。フリーズドライのスープは具がストローにつまらないよう細かく砕いてあるとか、宇宙に出たときは味覚が鈍るので味付け濃い目にしてあるとか、ラーメンの麺は一口サイズに固めて汁もとろみをつけてあるとか、そんなんこんなんです。
# 完全に同一ではないので、本物とベースの品物を、両方見ながら説明できたのはよかったと思います。

 休憩を挟んで、市販の「ほぼ宇宙食」の試食。アルファ米と粉末緑茶を出したのですが、子どもたちの勢いに押されて、サバ缶とサンマ缶も開け、あっという間に食べつくされました。
 市販されているとはいえ、アルファ米を家庭で食べる機会は、まずないかも。お湯で戻すだけなのですが、意外に普通のご飯の食感で美味しいです。個人的には赤飯を一押し。

 はみだしエピソードですが、「カルシウム満点の宇宙にぼしがNASA公認宇宙食に??」という話を、Twitterで@5thstarさんが紹介されていたので、その「食べるにぼし」も調達してきました。
 念のためですが、正規の宇宙食でなく、たぶん個人持込の範囲でISSに上げたものだと思います。その場合もNASAの検査は通しているので、お墨付きの「公認」という洒落。無重力状態では骨粗鬆症になり易いそうですから、カルシウムたっぷりの煮干しは理にかなっているのかも。

 三食の大部分がレトルトとインスタントと保存食なんて、一人暮らしの不健康な学生のようですが、そこはきちんと栄養管理されているわけで、すごいのやらすごくないのやら。
 そんなこんなで、特別なようで、けっこう身近な宇宙での食事。

 宇宙はそこへ行くための場所ではなくて、そこで何をするかという場所になりつつあります。今はパイロットやエンジニアや研究者の職場ですが、将来はもっといろんな職業の人が宇宙で活躍する時代になるので、いっしょに星や宇宙のことをもっともっと知っていきましょうと、幕を閉じました。


posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 明石市立天文科学館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。