
地平線近くの月が大きく見えるのはよく知られた話。でも本当は天頂付近に見える月の方が大きく見えるのです。右の図がその説明。かなり誇張して描いていますが、南中時の方が最大でほぼ地球の半径分、月に近い場所にいることになります。
地球-月間の平均距離は約38万km、地球の半径は約6千kmなので、1.5%ほどの違いが出ます。
もちろんこれは最大値で、地球上の緯度や季節によって違いがあります。日本の場合は冬至近くの満月がほぼ天頂に来るので、違いが大きくなります。逆に夏至近くの満月は差が小さい……のですが、@H_Hirayamaさんが月の写真を撮っていらっしゃるのを見て、思わず挑戦してしまいました。
左半分が月の出間もない満月(高度16度)、右半分が南中時(高度33度)。元サイズの画像では、月の出間もない月の直径が612ピクセル、南中時は615ピクセル。約0.5%南中時の方が大きく見えています。逆算すると、約1,800km月に近づいたことになります。
地球の自転がこんなところに効いてくるのですから、面白いですね。
# 月の出直後と比較すれば、もう少し差が付いたでしょう。
写真撮影時の光学系:ミニボーグ60ED(D=60mm,f=350mm)+NikonD5000。
私は冬場を狙って,もう少し大きな差をはじき出しましたが,2,3年ぐらい前から,冬場の満月が近地点付近で起こっているので,地球から月までの距離がやや近くなっていて,相対的に地球の半径による移動距離が大きく効いてくる状況にありました。
月と地球の間の距離は,最遠と最近で10%以上の差が出るので,それなりに影響しますね。
3月のSuper Full Moonも,ちょっとこだわって,南中時刻付近で撮影してみましたが,果たして,どの程度の効果があったでしょうか。
地球の大きさって結構侮れないんですね。
思い立ったが吉日で、条件が不利なのは承知の上で挑戦してみました。それでも意外と差が分かるものです。
3月の"Super Full Moon"、私は見逃してしまったのですが、そこまでこだわって撮影されるとは、さすがです。
ヒガラさん>
月の出入りのように毎日繰り返されている現象も、改めて観察すると、今さらながらに「なるほど」と思わされることがあって、あなどれません。面白いですね。
昨夜はこちらは曇ってしまったけど…
撮影日の違う満月の写真を10枚ぐらい集めてGIFアニメにすると,月がぐりぐりと揺れているのが良く分かります。
お正月にちらっとお見せした月のスライドショーにも,6枚の満月で秤動を見せるスライドを入れていましたが,これを,同じ焦点距離で撮影したもので構成すれば,月と地球の距離の変化も見えるアニメが出来るのではないかと思っているのですが,いかがでしょう?挑戦してみませんか?
…このところ,科学教育的で,かつ,見て面白い月写真を,あれこれ考えているのですが,撮影技術が追い付かなくて……
http://apod.nasa.gov/apod/ap991108.html
満月時だけのピックアップも視覚的に面白そうですね。
私が月の写真を撮るようになったのは、2009年に一眼デジカメを入手してからですが、なかなかこれというレベルには達しません。
ボーグのサイトに掲載されている作例など、そうやって撮っているのやら……
# 中川さんは月・惑星写真の名手ですし。
基本的には,良い光学系の直焦点で,画素数の多い受光部を持ったカメラで,無理に拡大せずに撮っているだけです。
その代わり,ピント合わせは丁寧にやっているようです。
あとは撮影枚数が想像よりもずっと多かったことぐらいでしょうか。気流が不安定な日でも,安定した一瞬をものにする根気でしょうね。
うちのミニボーグは接眼部にM57ヘリコイドSをつけているのですが、ストッパーが無いので、長時間の撮影時には知らずにずれていることがあったりします。眼視用には問題ないのですが、撮影用には他のパーツに換装したいところです。
しかし「撮影枚数が想像よりもずっと多かった」というところに、いろいろなことが集約されているような気もします。しっかり基本を押さえた上で、チャンスを逃さない根気……