福島県田村市滝野町にある「星の村天文台」。天文台ができたのは1991年。バブル景気の余韻を残す時期を反映してか、外観は豪勢な雰囲気。でも中に入ると一転してアットホームな雰囲気の面白いところです。3月11日の東日本大震災で主力の65cm反射望遠鏡が倒壊してしまいましたが、4月29日に業務を再開。現在は残った小型望遠鏡で観望会を続け、また日中はプラネタリウムの投影を行っています。
向かいには豪快な石灰岩の露頭。元は石灰岩採掘の鉱山があり、往時はダイナマイトで発破をかけて採取していたそうです。現在は操業を停止し、採掘中に発見された鍾乳洞「あぶくま洞」の入口になっています。天文台と鍾乳洞は駐車場を挟んで向き合う位置にあります。# 実は天文台が出来る前の「あぶくま洞」に行ったことがあります。
天文台屋上からの眺め。公開天文台でこれだけ眺望がよい立地は羨ましいです。見渡すかぎりなだらかな山並みが続き、いかにも光害が少なそう。今回は昼間の訪問でしたが、ぜひここで星を見てみたいと思わせる場所。
この日は新潟県で開催されている「胎内星まつり」と重なり、天文台長の大野裕明さんはそちらに出張中。副台長の大野智裕さんがご厚意で閉鎖中の望遠鏡ドームを案内してくださいました。

# Youtubeで公開されている震災直後の様子「東日本大震災 直後の天文台の様子と私たちのうごき」「東日本大震災遭遇と復興メッセージ」
たまたま床下に梁のない部分に落ちたため、これだけの被害にも関わらず、望遠鏡の心臓ともいえる主鏡は無事。智裕さんによると復旧の目処はたったという話でしたが、その後、修理が行われることが正式に発表されたそうです。
ドームの内壁には、日本人初の宇宙飛行士・秋山豊寛さんのサインが。天文台を含めた一帯を「星の村」と総称しているのですが、秋山さんが開設当初の「村長」だったのだとか。そういえば秋山さん、福島で農業を営まれているのでした。





星の村天文台では望遠鏡を携えて、各地を回っての観望会も開催しています。「ほんとうの空」がある福島で、明るい顔で星空を眺めることができるよう、微力ながら応援していきたいです。

