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(2015.5.22 管理人 記)

2012年07月07日

七夕講演会「金環日食限界線はどこに?」

 国立天文台の相馬充助教をお迎えして、七夕講演会「金環日食限界線はどこに?」が開催されました。
 相馬先生のお話は、金環日食が起こる仕組みの基礎から一つ一つの話題を丁寧に積み上げていきます。楕円の焦点や離心率の話から始まるとは思いませんでしたが、誠実なお人柄が滲み出るようでした。
# なにせ私が子どもの頃から天文ガイド誌や天文年鑑でお名前を拝見していた方。

 限界線の予報について詳しくおさらいしたい方は、
かぐやによる月縁を考慮した2012年金環日食予報
からリンクされている文章を読むと良いと思います。

 限界線を検討していく中で、「地球時TTと世界時UTとの差(地球の自転のゆらぎの見積りの差)」、「月の重心と見かけの中心の位置の差」「月の半径の採用値の違い→『かぐや』のデータを用いた精密な検討」と追い込んでいって、最後に残ったのが「太陽の直径」。
 実は太陽の直径、100年以上前に測ったものが公式値として使われていて、その後も測定はされているのですが、測定方法によって500kmくらい幅がある。月の形は「かぐや」で分かっているし、月までの距離も分かっているので、太陽が月の外周の谷間に姿を消す精密な時刻を測定すれば、太陽の直径を計算できるんじゃないかということで、ベイリービーズの観測チームが立ち上がりました。
 日食直後に公開された暫定値では±20kmだったのが、その後の解析で±10kmまで求められているそうです。

 井上学芸員は日食メガネを用いた限界線観測のお話。肉眼での観測なので、個人差もあり、金環食とカチューシャ状態の部分食の境目は入り乱れた状態になるのですが、限界線からの距離ごとにリングに見えた人の割合を調べていくと、予報の限界線で見えた人と見えなかった人の割合が逆転するそうです。
 人間の目って優秀だなぁ。

 講演会の後は天体観望会。梅雨の中休みに恵まれ、七月七日の七夕の夜、空に輝く織姫と彦星を仰ぎ見ることができました。

 ところで講演会の前に行われたのがこれ。鉢植えだった金柑は、大地に根を下ろすことになりました。
 天文科学館は曇ってしまったのですが、多くの地域で金柑のリングを見ることができたということで、祈願成就。こういうのはおめでたい方に取ったほうが幸せです。
 ということで、金環日食晴天祈願成就記念植樹(金柑)。相馬先生をお迎えしてこれをやるのが明石。


posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 明石市立天文科学館 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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