



東山さんは比較明合成という画像処理方法を用いた天体写真の先駆者にして第一人者。
私が最初に見たのは、天文ガイドに掲載されたレインボーブリッジか東京タワーの作品でしたが、「なんで地上の夜景と星空が一緒に写ってんの?」「なんで東京でこんな長時間露光して空が白く飛ばないの?」と目が点でした。とにかく街中で星の写真を撮れること自体が衝撃でした。
ちなみに12時間露光で千数百枚画像を重ねて、作業時間が15時間くらいだったそうで、「半分は嫁さんの仕事」だそうです。あまりの手間に先輩に相談して開発してもらったのが「キクチマジック」という専用の画像処理ソフト。同じ作業が格段に短い時間(100枚程度なら数分間)で終わってしまいます。フリーウェアとして公開されているので、誰でも使うことができます。
# 今ではポピュラーな手法で、私もこれで写真を仕上げることがあります。ふだん天体写真を取らない私でも恩恵を受けてるあたりがすごい。
東山さんは朝日新聞の記者で、一面を飾ったはやぶさ帰還の写真(新聞掲載時・天体写真版)も彼の作品。これは天体写真撮ってる人の仕事だよと思ったのですが、あとからご本人のブログで、「え〜!あの東京の星景撮ってる人か!!」と驚いたのでした。
天文の写真が紙面を飾る機会は少なくなく、東山さんの写真も何度も一面に掲載されているのですが、講演ではその辺りのお話も。けっこう余裕のない締切り時刻、一面・社会面に掲載予定で準備していた記事が別の大ニュースで片隅に追いやられた話などなど、興味深いお話が沢山。
「天体写真は段取りが99%」には納得。
いつも「晴れてるからカメラ出してみた」というノリで適当な写真を量産している私には深く印象に残りました。

ちなみに晩御飯ですが、高校駅伝の名門・西脇工業高校の陸上部の合宿で出しているメニューを「量(炭水化物)より質(おかず)」とアレンジして頂いたもので、なんかそれでもボリュームたっぷりでした。
# 高校生だと小鍋がうどんになるそうです。育ち盛りで体を動かしてなければあっという間に丸くなりそう。
そうそう、にしわき経緯度地球科学館。
主力の口径81cm反射望遠鏡は、シンデン鏡。この冬は主鏡のオーバーホールを行なっていて、2月28日に再設置・調整が完了したばかり。すばらしい眺めを見ることが出来るとおもいきや、上空は雪模様……
そんな時もあります。星は見えていたので、それでも木星やカペラを見せて頂きました。望遠鏡そのものの写真を撮りまくっている人もいたりしましたが。
その後、宿の青年の家に戻って、交流会となりました。
# ここが一番楽しかったという方も多いのですが、写真は撮ってません。お察しください。
シンデン(ジンデン?)鏡って単語、久しぶりに眼にしました。
googleってみると、ジンデンさんはお亡くなりなってたそうですね。
以前、天文学会の普及活動に関する集会のパネラーに呼ばれかかったのですが、企画そのものがボツになったことがあります。
まぁ、たいした活動もしていないから、呼ばれてもどの程度貢献できたか、分かりませんが、いい機会だったので、ちょっと乗り気ではあったのですが。
西脇でオーバーホール中の主鏡の写真を見せて頂いて、「SINDEN」とあったので、あれ「シンデン」だったっけと思いながら書いたのですが、そうですね「ジンデン鏡」って言ってましたね。
この辺りだと姫路の星の子館の望遠鏡もジンデン鏡です。公共施設に入れるのが流行ったのでしょうか。
http://www.city.himeji.lg.jp/hoshinoko/kansoku/tele.html
今年は交流にも時間をたっぷり割いて、あちこちで話に花が咲いていました。次回はぜひぜひ、ご参加ください。
私が実行委員に名を連ねている時点で、あまり硬くない集まりです。
またタイミングが合いましたら、ぜひぜひ遊びに来てください。
カメラは一般的なコンパクトデジカメだとちょっと厳しいですが(東山さんはリコーのコンデジで撮影した作品も紹介されていました)、一眼デジをお持ちであれば大丈夫です。
PCも合成枚数が何百枚という単位でなければ、多少古めでも問題ないと思います。あまり枚数を重ねると星の線が伸びて星座の形がわからなくなってしまうので、よほどの意図がない限りは、私も40枚くらいしか重ねたことがありません。
まずはお試しということでいかがでしょう。
今度、試してみようと思います。