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(2015.5.22 管理人 記)

2014年03月08日

ビクセン展示会(大阪)

 光学機器メーカー「ビクセン」の展示会が梅田センタービルで開催されました。
 天体望遠鏡の展示会はかつて日本望遠鏡工業会の主催で「日本望遠鏡・双眼鏡ショー」が行われていましたが、2003年に終了。現在はカメラを中心とした展示会の「CP+」にいくつかのメーカーが出店しています。いずれにせよ関東のイベントで、関西で一般ユーザー向けの展示会があるのは珍しいことです。

 今回面白かったのは参考出品の新型赤道儀。大きさはGP2赤道儀相当といったところ。展示用のスケルトンモデルではエネループ乾電池が見えていますが、モバイルバッテリーでの駆動も可能(ただし稼働時間は外気温によって大幅に違うので現時点では明言できないとのこと)。

 これがバラバラにバラせます。面白いのはクランプなしのフリーストップ式という仕様。同社のポルタ経緯台は既にフリーストップ式ですが、赤道儀もついに。攻めてます。
 赤道儀といえば写真撮影が前提にあるように思えますが、直焦点で星雲・星団を狙う人はSX2以上を選ぶ(ような気がする)ので、GP2クラスだと観望に振ってもよいのかもしれません。GP2/GPD2はモーターが付いた状態だと手動操作がやりにくいので(クラッチがオプションですし)、観望中心で使うならフリーストップ式はありかと思います。
 撮影にしても月・惑星ならフリーストップでも問題ないでしょうし、星雲・星団を狙うにしてもデジタル化で露出時間短く抑えられるようになりましたし。
# クラッチつけてないGP2でモーターの電池が切れると身動きとれずに泣きます。

 赤緯側のモーターユニットはオプションになりますが、電気系統も接点も本体に内蔵されているので、コントローラーへの接続ケーブルは赤経体につながっているもので事足ります。GP2/GPD2は赤経と赤緯と2つのモーターから2本ケーブルが伸びて煩雑だったので、ずいぶんすっきりします。

 これまでの赤道儀だと赤経体にギアがついていて、ギアに噛ますように外付けモーターを付けるのが普通。ところがこの新型赤道儀で面白いのが、赤経のギアがモーターと一体化したユニットになっていること。なので、赤経モーターユニットだけを抜き出してポータブル赤道儀として使えます。GPガイドパックよりさらに小型軽量。
 三脚との接続はこれまた参考出品のポラリエ用の微動雲台で、X-Yの押しネジ・引きネジがついていてスムーズな極軸合わせが出来ます。

 このほか極軸望遠鏡も新しいパターンに。北斗七星とカシオペアのイラストが入った五藤MARK-Xやケンコー・スカイメモと似たようなパターンになっています。北極星の時角を示すiPhoneアプリも参考展示されていました。

 GP2の後継になるのか新しいラインアップになるのか肝心なところを聞くのを忘れていましたが、現行のGP2も先代のGP、先々代のSP(スーパーポラリス)から数えれば30年くらいになる息の長い機種です。
 ついでに気になるお値段はまだ検討中とのことですが、GP2よりは上がってしまいそうとのこと。コア部分だけでも赤経モーター付いてるのが前提だし、これは仕方ない気がします。

 いま我が家の赤道儀はナノ・トラッカーだけなので、8cm級の鏡筒が乗る赤道儀は気になる。うーむ。
# あまり重いと公共交通機関で持ち運べないのです。

 ほか気になったのは双眼鏡「SG2.1×42」。ガリレオ式の光学系で、実視界が極めて広いのが特徴。ぶっちゃけていうと「ワイドビノ」の国産版。
 覗きやすさはビクセンSG2.1×42の方が上。ワイドビノは目幅が少しでもずれるとすぐ像が崩れるのですが、SG2.1×42は多少目幅がずれていても覗けてしまいます。
 このタイプの双眼鏡は基本的にメガネを外して覗くものですが、ワイドビノはメガネを掛けたままでは実質的に使用不可なほど視界が狭くなります。SG2.1×42はメガネを掛けたままでもそれなりに覗ける。もちろん全視野は無理ですけど、覗きやすさに配慮したのが分かります。
 一方で視野周辺の湾曲具合もそれなりに気になりました。このあたりの収差は地上の景色と星空では印象が違うはずなので、実際の星空のもとで試してみたいところです。

 観劇客をターゲットにした双眼鏡「saqras」。6×16という小口径で星見には向かないのですが、観劇や旅行のお供にどうかという一品。このクラスの双眼鏡はプラスチック製が多いのですが、アルマイト加工のアルミ製で質感が高いです。女性向けの色合いですが、男性が持っていてもそんなに違和感ない感じ(個人差があります)。アイリリーフが14.0mmで、メガネ使用者にはもう少し長いとうれしいところ。

 VSD100F3.8鏡筒もありました。かつてペンタックスが販売してた10cmF4鏡筒のビクセン版。ペンタックスから同機の特許を買って、さらに光学系をリファインしています。まあ、私に手が出るものではありません。というか星野写真専用機なので使いこなせない。
 でもこういうとがった製品を出してくる辺りがさすがです。

 今回は写真を撮ってきませんでしたが「宙ガール」や「Coleman」ブランドの展開も展示されていました。
 ここ数年のビクセンは既存の天文ファン以外への切り込みを積極的に行っていて、業界最大手ならではの矜持を感じます。天文業界がここしばらく力を入れていなかった部分で、これは大いに応援したいです。


posted by ふくだ at 23:46| Comment(2) | 機材 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フリーストップ+微動の赤道儀。
大昔のニコン5cm屈折がそうでした。
あの時代ですから,モーターは付きませんが。

ポルタもそうですが,フリーストップ架台は,フリクションの調整をまめにしないと,いけませんね。
温度変化や荷重の都合で,けっこう変わるし,個人的な好みでも違いを感じます。
ビクセンの某氏の使っているポルタは,やたら固くしてあった……

ビクセンは女子向けの展開に,ここ数年,熱心で,首都圏では金曜の夕方にTOKYO FMに番組を持っているし。
http://www.tfm.co.jp/hoshi/


あ,ジェットストリームの後にもスポット広告,入れています。これも首都圏限定かな。
Posted by なかを at 2014年03月11日 10:03
ポルタやNEW KDSマウントIIはフリクションは固めにして微動で微調整してます。こまめに調整するのが面倒なので、止まってくれること重視のセッティングです。フリーストップの意味があるかどうか分かりませんけれども……クランプ開け閉めの手間が省けるくらいでしょうか。

一方、微動のないF2経緯台は、それこそアイピースを変える度にフリクション調整していました。

ビクセンは埼玉の企業ですし、聴取人口を考えればラジオもまずは首都圏での展開になるのは分かる気がします。
Posted by ふくだ at 2014年03月12日 00:19
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