塩屋天体観測所の雑記帳はhttp://stelo.sblo.jp/に移転しました。
今後はこちらの旧サイトを更新しません。引き続き移転先でよろしくお願い致します。
(2015.5.22 管理人 記)

2014年07月26日

NICT未来ICT研究所

 神戸市西区と明石市にまたがる情報通信研究機構(NICT)未来ICT研究所を見学してきました。

 たまたま一般公開の日と重なりましたが、今回は明石市立天文科学館星の友の会としての訪問で、一般公開されてないエリアも見学させて頂きました。
 右写真の建物がそれ。

 日本標準時は東京都小金井市にあるNICTの本部にある日本標準時グループの原子時計(セシウム原子時計18台+水素メーザー4台)で形成されています。現在、災害等に備えた分散化のため、この未来ICT研究所に標準時の副局を設ける準備が進められています。

 左写真が原子時計の部屋。写真左手のラックに収まっているのがセシウム原子時計。現在は2台ですが、将来的に増設するそうです。写真右手の大きな筐体は水素メーザーでこちらは1台。
 小金井のNICT本部の原子時計は部屋すら近付くことが出来ず、一般公開時もモニターで見るだけでしたが、こちらはまだ準備中ということもあってか、ドアのガラス越しに見学させて頂きました。

 右写真が標準時を形成している機器類の部屋。原子時計が正確といえども、本質的には超高精度の周波数発信器で、直に時報を出しているわけではありません。これを日本標準時の時刻にするにはいろんな操作が必要で、それの関連機器がこれ。単体の時計というより大掛かりなシステムです。

 左写真は標準時の表示板。できたてホヤホヤ(という表現でよいのか)の標準時です。
 右写真は部屋のドアの前にある「恒温恒湿室制御盤」。原子時計の精度を保つために、部屋の中は四季を通じて一定の気温・湿度に保たれています。そういえば原子時計の部屋の外側も既存の壁に何やら上張りされていましたが、もしかすると電磁シールドとか設けられているのかも(推測です)。

 この原子時計、東京から神戸に運ぶだけで誤差が出てくるそうです。主な要因は標高の差。地球の自転軸からの距離が違うので、地球の自転による速度に差がでて、相対論的に時間の進み方が違ってくるのだそうです(速度が早いほど時間の流れが遅くなります=ウラシマ効果)。たしかに理屈ではそうなるのですが、それを検出してしまう原子時計の精度に驚きます。

 こちらは一般公開のエリアで展示されていた原子時計。
 左写真が上蓋を開けたところで、手前の円筒状のものがセシウムビームチューブ。解説の方が人差し指で示しているのが水晶発振器。
 右写真はセシウムビームチューブのカットモデル。これははじめて見ました。ふつう見ることはないので、ちょっと興奮。
# 原子時計の解説記事→真の1秒を求めて〜原子時計(ITmedia) ※文中のCRLが現在のNICTの前身。

 NICTはもともと複数の研究機関をまとめて独立行政法人にしたものなので、研究分野も多岐にわたり、しかもそれぞれの基礎的かつ先端的なことに取り組んでいるので、何をやっているのか一口で説明しにくい機関です。
 右写真は実験中の気象レーダー。
 これまでの気象レーダーはパラボラアンテナをくるくる回していたのですが、実験中の新型はフェイズドアレイアンテナで、電気回路でレーダーの向きを切り替えながらスキャンします。パラボラを機械的に回しながら5〜10分かかっていた観測を、フェイズドアレイでは10〜30秒でできるようになるそうです。局地的豪雨や竜巻の観測に期待されています。
# 身近(!?)なフェイズドアレイアンテナの例としては、「あかつき」「はやぶさ2」の高利得アンテナもそう。

 一般公開で展示されていたテラヘルツ波カメラ。赤外線と電波にまたがるような領域で、光学的で画像を取得できます。ここでは白熱球のフィラメントを「見せて」いました。非破壊検査などでの応用が期待されているとか。
 隣には赤外線カメラの展示もあって、こちらも面白かったです。赤外線は可視光より波長が長いので、見た目ザラザラなアルミ板でも赤外線に対してはとても平滑な鏡になってしまうのです。理屈は分かっていても実際に見てみると一目瞭然なるほど納得。

 配布されていた「脳」キャップのペーパークラフト。組み立てると帽子になるのですが、かなりシュールです。

 公開運用されていたアマチュア無線局「8J10NICT」アマチュア無線従事者免許証を持っていけば出ることが出来たそうです。事前に知っていれば……(4級ですが免許持ち)。
 しばらく空には出てないので、すっかり手順を忘れてしまいましたけれども。

 標準時にまつわる研究が行われているとなれば、この人たちが黙っているわけがありません。
 シゴセンジャーが会場のみなさんとクイズのやりとりをしているところにブラック星博士が乱入する新展開。
 NICTの職員のみなさん大ウケのカルト的クイズに、会場のみなさんも訳がわからないまま巻き込まれて大笑い。むちゃくちゃなペースになりかけましたが、なんとかブラック星博士、撃退されていきました。


posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 一般公開 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。