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(2015.5.22 管理人 記)

2014年08月31日

延長50回の決着(第59回全国高等学校軟式野球選手権大会・準決勝)

 8月末に明石球場と高砂球場で開催される軟式高校野球の全国大会。
 2014年は全日程が平日に組まれて、今年は見に行けないな、と思っていました。が。

 8月28日(木)に始まった準決勝第一試合の中京(東海/岐阜)-崇徳(西中国/広島)の試合が延長15回で決着つかず。甲子園の硬式高校野球は翌日再試合となりますが、軟式ではサスペンデッドゲームとして翌日に16回からスタートします。
 再試合は9イニングやらないと終わりませんが、継続試合ならどちらかがリードしてイニングを終えた時点で試合終了となります。一般的にはこの方が日程を早く消化できるのです。しかし。

 8月29日(金)、延長30回まで終わって0-0。
 8月30日(土)、延長45回まで終わって0-0。
 この日は天文科学館のボランティアに入っていて、観戦できなかったのですが、まさかの継続試合続行。

 翌日から二学期が始まる8月31日(日)は、54回(!)までに決着がつかなければ抽選、ダブルヘッダーで午後に決勝戦。これは観戦するしかないでしょう。

8月28日(木) 8月29日(金) 8月30日(土) 8月31日(日)
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中京 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3
崇徳 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 バックスクリーンのスコアボードは10イニングごとにクリアされてしまうのですが、球場正門脇のホワイトボードの手書きのスコアボードにこれまでの経過が記されています(この写真はクリックで拡大)。すでに3試合分の枠を使いきる事態。
 スタンドはいつもの年より少し多めのお客さん。内野席はこのあとほぼ満席となり、ふだんは使っていない芝生の外野席も途中から開放されました。とはいえ、ニュースでも取り上げられていた割には、意外に落ち着いた雰囲気です。

 予定の9時を少し回って、46回表の攻撃から試合再開。この回は両チームとも三者凡退で相変わらず0-0。
 「47回の表、中京高校の攻撃は……」と女声の場内アナウンスが入ると、スタンドの観客から苦笑交じりのどよめき。みなさん真面目に観戦されてるのですが、46回とか47回とか普通じゃないので、冷静なアナウンスが響くと違和感が強調されます。

 軟式野球で高いレベルでチーム力が拮抗していると、点が入りにくくなります。
 ゴム製のボールなので打球が遅く、ゴロで内野手の間を抜けるヒットがなかなか生まれません。打球が遅ければ内野安打が出やすそうですが、内野手は硬式の前進守備に近いシフトで構えているので捌かれてしまいます。そして外野の頭を越す長打を見ないどころか、そもそも外野にあまり球が飛びません。

 ランナーが出て犠打で送って、例えば一死一塁から二死二塁になっても、安打が出にくいので点が入る気がしません。とにかく無死でランナーが出ないとチャンスという気分にならないのです。

 面白いのは、ボールが弾むので、地面を叩く打球は高いバウンドとなります。選手の頭よりはるかに高いバウンドの打球が落ちてくるのを待つ間に内野安打になるのは、硬式ではあまり見られない場面。

 さて試合は47回裏。崇徳高校、四球2つで二死一、二塁とするも、投ゴロで無得点。
 48回は両チームとも二死から走者が出ますが、無得点。
 49回は両チームとも三者凡退。終わるのか、この試合!?


 そして迎えた50回表。
 中京高校、無死から二塁内野安打とエラーで無死一、二塁。暴投(盗塁かも)で二、三塁となったあとに四球で無死満塁。ここが決めどころ。
 続く打者の打球はライト線に転がり二塁打に。ランナー一人本塁生還、二人目も還って2-0。50回表にしてようやくの先制点です。
 引き続き無死二、三塁から、次の打者の内野ゴロの間に1点追加して3-0。ここに来ての3点差は、勝負あり、の感でした。

 50回裏、崇徳高校の攻撃。二者連続三振のあと、左前安打で意地を見せます。しかし反撃もここまで。最後の打者が三振に倒れてゲームセット。

 整列する両チームに割れんばかりの拍手が送られます。スタンドが小さいので観客数はそれほど多くはないのですが、とにかく拍手が降り注ぐよう。両チームの健闘を惜しみなく讃えます。
 中京高校の校歌斉唱のあと、再び球場全体に降るような拍手。身体全体をぱちぱちと音が包み込むほどの拍手はなかなか体験する機会がありません。それだけ気持ちに響いた試合だったのでしょう。

 バックスクリーンのスコアボード。トータルスコアは3-0で、ヒットの数は中京が22本、崇徳が26本。ただ50イニングでこの安打数ですから、点が入らないわけです。最後の中京高校の3点も、守備の乱れを付いたような得点で、やはり疲れはあったのかなという印象。

 球場正門脇に人だかりができているのは、ホワイトボードの手書きのスコアボードを写真に収めようという人たち。メインのスコアボードは10イニング分しか表示できないので、これが激闘の軌跡となります。


 ちなみにこれまでの軟式野球の最長記録は、1983年9月20日、全日本軟式野球大会決勝戦のライト工業3-2田中病院の延長45回。これはこれで1日でやりきった凄まじい試合ですが、今回の準決勝はこれを上回る最長記録となりました。

 軟式高校野球では、決勝戦のみ引き分け再試合になるのですが、サスペンデッドゲームのイニング数制限はありません。過去最長でも25回で決着していたので、ここまでの延長は想定外だったそう。

 今回は8月31日まで大会日程がずれこみ、翌日から二学期が始まる状況でこれ以上日程を伸ばせません。このため午前9時から準決勝の延長試合、午後0時半から決勝戦という変則ダブルヘッダーとなりました。同じチームが一日2試合行う場合は18イニングまでという規定があるため、決勝戦で9イニング、準決勝は46回から始まって9イニング目の最長54回までとなっていました。もし54回までに決着がつかなければ抽選で決勝進出校を決めるということで、おそらくこれは特別ルール。
# そもそも準決勝と決勝を一日で行う変則ダブルヘッダーも本来は規定外(片方のチームが不利ですから)。 # 高校野球も秋の明治神宮大会と国体はタイブレーク制度を導入しています。

 来年以降はおそらく大会規定の見直しがあると思います。軟式高校野球についてもタイブレーク制度が適用される可能性が出てきたのではないでしょうか。
 また両チームの投手とも完投というのが凄いというか凄まじいのですが、軟式は硬式より体の負担が少ないと言われているといえ、さすがに厳しかったと思います。試合展開上、投手交代も動くに動けない状況で、これも将来的には投球イニング数や球数制限を検討することになるかもしれません。采配に委ねると「勝つために無理」をしても「体調を慮って負け」てもつらい思いをするので、いっそルール化したほうが後を引かない気がします(これも何年も前から議論になっているのですが、チームによって選手層の厚さは差があるという事情もあり、うーん)。

 しかし、とにかく熱戦でした。
 まずは、現行のルールの中で精一杯闘いぬいた両チームの健闘を讃えたいと思います。


posted by ふくだ at 23:45| Comment(0) | 雑記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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