塩屋天体観測所の雑記帳はhttp://stelo.sblo.jp/に移転しました。
今後はこちらの旧サイトを更新しません。引き続き移転先でよろしくお願い致します。
(2015.5.22 管理人 記)

2014年12月09日

Delta IV Heavy ひだるま

 12月5日に打ち上げられたオリオン宇宙船の第一回試験飛行(Orion’s Exploration Flight Test-1 (EFT-1))です。
 オリオン宇宙船はNASAの有人宇宙船で、スペースシャトルの舞台が地球の低軌道だったのに対し、将来の月・火星・小惑星ミッションを見据えたものです。

 今回は無人機の試験で、地球を2周して戻ってきました。2周めには高度約5,800kmまで上昇。これはISSの高度350kmに比べてはるかに高く、月や惑星からの帰還をシミュレートするものです。NASA-TVの中継を見ていましたが、驚くばかりの精度で着水しました。

 さてオリオン試験機の打ち上げに使われたのがデルタIVヘビーロケット。デルタIVの第一段を3本並べた、現在のアメリカ最大級のロケット。

 で、本題はデルタIVロケットの打ち上げ時の華々しい炎。カウントダウン残り5秒前後でロケット全体が紅蓮の炎に包まれます。タンクに注入している液体水素が端から蒸発してロケットの周りに漂っていて、それに火が回るのです。知らなかったら大爆発かと思うような勢い。

 こちらは2011年の打ち上げですが、第一段の断熱材が黒焦げになったあげく、引火して炎を上げています。おお、ワイルド。というか大丈夫なのかこれ。成功しているから大丈夫なのでしょうけれども。

 2010年の夜間打ち上げ。射場ごと炎上したのかと思うくらいです。

 2013年の打ち上げからこの「炎上」を改善するために発射手順を変更したそうですが、今回のオリオンを見る限り、さほど功を奏していないような。

 デルタIVヘビーは打ち上げ後、重々しく昇っていきます。これは第一段に使われているエンジンのせい。
 デルタIVヘビーは液体酸素・液体水素エンジンの第一段に同形の機体ブースターに並べています。

 大雑把に言うと、液体酸素・液体水素エンジンは燃費は良いのですが最初の加速が弱い。固体ロケットは燃費は悪いけど最初の加速が得意。なので日本のH-IIA/Bロケットは液体酸素・液体水素エンジンの第一段に固体ロケットブースターを組み合わせて打ち上げます。
# ちなみに固体のイプシロンロケットは鮮やかな加速で飛んでいきます(映像しか見たことないけど)。

 デルタIVヘビーは液体酸素・液体水素エンジンだけなので、最初の加速がゆっくりで、重々しい雰囲気を漂わせているのです。


posted by ふくだ at 23:40| Comment(0) | 宇宙開発/宇宙科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。