重箱の隅をつつく話です。
東経135度子午線上に建っている明石市立天文科学館ですが、これは1951年に行われた天文測量の成果に基づいた子午線です。一般に地形図等に採用されている測地経緯度とはズレがあります。
# このあたりの経緯は
天文経緯度と測地経緯度や
さまよえる子午線をご参照下さい。
うちのサイトの子午線関連ページの制作時の参考資料の一つに『明石市立天文科学館の40年』,明石市立天文科学館編(2000)があります。
この中で、天文科学館の経度は、
天文経度 東経135°00′00.0″
日本測地系 東経135°00′14.6″ 北緯34°38′46.4″
世界測地系 東経135°00′04.7″
と記されています。
日本測地系と世界測地系の換算は非常に複雑で、とても私の手に負えるものではありません。国土地理院では
TKY2JGDという変換ソフトを提供していて、私もこれを利用しています。
このTKY2JGDで上記の日本測地系の経度を変換させると、
日本測地系 東経135°00′14.6″ 北緯34°38′46.4″
世界測地系 東経135°00′04.64118″北緯34°38′58.10264″
という具合で、『明石市立天文科学館の40年』の掲載値と若干の差が出ます。詳しい原因は調べていないのですが、この冊子の編集当時は世界測地系導入に向けた測地成果2000の公表前でもあり、現在とは変換パラメータが違っているのかもしれません。私のサイトではTKY2JGDの変換値を採用しています。
実際のところ、北緯35度での経度0.1秒をメートルに換算すると2.5mくらい。通常のGPS端末では誤差範囲内で、DGPSでも分かるかどうかギリギリの所ではないかと思います。
重箱の隅をつつくお話でした。